コウモリは日本でも多く生息している?特によく見かけるコウモリを中心に紹介します

世界では合計で960種類以上のコウモリが生息しているとされています。
その中で日本で生息しているのは34~35種類(分類の仕方によって違いあり)とされています。
ただ、それらの種類の中でも人が生活している圏内、家屋に住みついたりするのは決まっています。
そこでここでは特に人間に害を与えるようなコウモリを中心に紹介していきたいと思います。

アブラコウモリについて

日本に30種類以上いると言われているコウモリの中でも街中で見かけるコウモリ、人間の生活圏内に住みつくコウモリがこのアブラコウモリです。
つまり普通に生活していて見かけるコウモリは「アブラコウモリ」だと言えるでしょう。
ここではそんなアブラコウモリについて紹介していきます。

アブラコウモリの生態は

一般的にコウモリは森林や洞窟など人里から離れた場所で生息することが多いのですが、こちらのアブラコウモリは日本で唯一、家屋を住処にするコウモリとなっています。
そのためアブラコウモリは「イエコウモリ」と呼ばれることもあります。
生息地域は北海道以外の地域で幅広く分布しています。
本州、四国、九州、沖縄地域と幅広い地域で見かけることでしょう。
家屋を住処にすることが多いのですが、街中では工場や倉庫、鉄道、橋の下などに住むこともあります。
寿命はオスが3年、メスが5年ほどとなっています。

アブラコウモリの行動習性は

アブラコウモリは身体が小さく、わずかな隙間も通ることができるために侵入を防ぐのは非常に難しいこととなっています。
物理的に侵入を防ぎたい場合には網目の隙間が1cm以下のネットなどを張ってコウモリが通れないようにしてしまうようにしましょう。
また、夜行性ということもあって日没後に動き始めます。
街中の公園、河川などでエサとなる昆虫を集め、一晩で500匹ほどを捕食すると言われています。
蛾、ハエ、ハチ、カメムシなどを好んで食べます。
そのため糞や尿の量も多く、ネズミの糞のような糞を大量に出します。

オオコウモリについて

オオコウモリは世界中で生息しているコウモリの中で20%を占めるという数の多いコウモリです。
その名前の通りに大型のコウモリとなっており、中には翼を広げた状態で1mを超える大きさのものもいます。

オオコウモリの生態は

オオコウモリは花粉や果実を好んで食べることから「フルーツコウモリ」とも呼ばれています。
日本では「オガサワラコウモリ」「クビワオオコウモリ」という2種類だけが生息しています。
基本的にオオコウモリは熱帯、亜熱帯の地域に生息するコウモリであり、日本では小笠原諸島や南西諸島に生息しています。
その生息数は非常に少なく、国の天然記念物に指定されています。

オオコウモリの行動習性は

コウモリの中には視力がほとんどなく、耳を頼りに行動する種類のものも多いのですが、オオコウモリは視力が良く、自身の目で有視界飛行しながらエサや障害物を確認しています。
基本的には植物食であり、亜熱帯の島でヤシの葉、バナナやグアバの果実などを食べます。
夜行性ということもあって夜に行動する分、昼間は木にぶら下がって休んでいます。

その他のコウモリについて

日本で多く見かけるのがアブラコウモリであり、世界中で見るとオオコウモリが多いという傾向がありますが、他にも日本で見かけることがあるコウモリはいます。
ここではそんなコウモリについて紹介していきます。

カグラコウモリについて

日本で唯一の熱帯性のコウモリです。
石垣島、西表島、与那国島、波照間島などの八重山諸島で生息しています。
夜行性であり、昼間は洞窟などでおとなしくしています。
多数で住みつくことが多く、1000羽を超えるような場合もあります。
カグラコウモリの特徴は顔の鼻部分が神楽の面のようにひだ状に広がっており、そこからこの名前がつけられたと言われています。

ニホンウサギコウモリについて

四国や九州、沖縄地域に生息しているコウモリです。
一時期、絶滅危惧種に指定されるほど個体数が減ったのですが、現在は指定から外されています。
耳がとにかく大きくて折れ曲がっているため、他のコウモリとは見かけが付きやすくなっています。
エサを探すときには大きな耳を広げて伸ばして飛び、昆虫などを捕獲していきます。
その場で食べるのではなく、他の場所に運んで食べることが多くなっています。
ただ、こうして飛ぶ時のスピードは他のコウモリと比べると遅いというのも特徴的です。

キクガシラコウモリについて

鼻が菊の花の形に似ていることから名前がついたコウモリです。
日本では北海道から九州まで幅広く生息しています。
昼間は洞窟、トンネル、洞穴、家屋などに群れで休憩しています。
夜になると群れることなく単独で低空飛行しながら昆虫などを捕食していきます。
このコウモリは以前特殊なケースで有名になりました。
2002年~2003年ごろに「SARS」という病気が集団発生したのですが、このウイルスに非常に似ているコロナウイルスが中国に生息しているキクガシラコウモリから検出されたことで、人間に大きな被害を与える可能性があるということが判明したコウモリです。

オヒキコウモリについて

日本で生息しているコウモリの中ではかなり大型な種類に入るコウモリです。
名前の通りにしっぽ部分が長く、そのしっぽを引きずって歩くことから名前がつけられています。
また、その姿には似合わず飛行スピードが速く、全速力で飛んでいる時には時速160kmにも達するとされています。
北海道から九州まで幅広い範囲に生息しているのですが、個体数が少ないために絶滅危惧種に指定されています。

コウモリが人間に与える被害とは

日本には色々な種類のコウモリがいるのですが、それらの中には人間に被害を与えてくるものもいます。
ここではコウモリが与えてくる被害の中でも代表的なものを紹介していきます。

糞や尿による衛生面の被害

これはコウモリだけに限ったものではないのですが、野生動物、虫、鳥などは雑菌や病原菌を持っているものが多くいます。
コウモリの糞や尿にも雑菌が含まれているため健康被害が発生するという場合があります。

糞や尿による建物への被害

コウモリの糞や尿が建物の屋根、壁、柱などにかかることによってシミができたり腐ったりすることがあります。
これはコウモリの種類によっては大量のエサを食べて大量に糞をするものがいるためです。
木材部分の老朽化が一気に進んだりすることがあるため、建物にコウモリが住みついている時には注意が必要です。

騒音被害

コウモリは夜行性のために夜の静かな時間帯に飛び回ることとなります。
群れで飛ぶコウモリが「うるさい」と感じることもあるでしょう。
また、コウモリの「キィキィ」という鳴き声も騒音となる場合があります。

これらのようにコウモリが人間を直接攻撃してくることはあまりないのですが、糞尿による被害や騒音被害はあるので注意が必要です。

まとめ
コウモリは世界中に約960~980種類いるといわれており、日本にも34~35種類のコウモリが生息しています。
ただ、それらのコウモリの中でも家屋に住みつくのは「アブラコウモリ」に限定されてきます。
そのため、糞尿や騒音被害がひどいという場合にはアブラコウモリを駆除するということが重要となってきます。
コウモリによる被害に悩む場合は専門の業者に依頼して駆除してもらうことをおすすめします。

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