シロアリの発生が危険だということ、シロアリが家の木を食べてしまうということ。
ぼんやりとシロアリの怖さは知っていても、具体的にどのような被害が出るのかを言える方はもしかしたら少ないかもしれません。
この記事ではシロアリ被害が住宅にもたらす影響について解説していきます!
シロアリ被害がもたらす住宅への影響
1.構造的強度の低下
シロアリは木材の内部を食害し、表面は無傷に見えても中が空洞化する性質があります。
このため、家の柱、梁、床、基礎などの構造材の強度が大幅に低下します。
特に木造住宅では、主要な支持構造が被害を受けると、家全体の安定性が損なわれ、地震や台風などの自然災害時に倒壊リスクが急増します。
例えば、基礎を支える木材が食害されると、建物が傾いたり、部分的な崩壊が発生したりする可能性があります。
シロアリ被害は内部で進行するため、素人目には気づきにくいのも特徴です。
表面に小さな穴や土のような通り道(蟻道)が見られる場合、すでに被害が進行している可能性が高いです。
また、被害が発見された時点で、修復には多額の費用がかかります。
主要な柱や梁の交換には、専門業者による大規模な工事が必要で、場合によっては家の一部の解体や再構築が必要になることもあります。
これにより、工期が長引き、居住者は一時的に住まいを移す必要が生じる場合もあります。
2.カビの発生
シロアリは湿った環境を好み、木材を食害することで湿気を保持しやすくなります。
「どういうこと?」
と思われるかもしれませんが、食害された木材は水分を吸収しやすくなるんです。
よって、家の内部に湿気が溜まる原因となります。
この湿気は、カビの繁殖を促進し、家の空気質を悪化させます。
カビはアレルギー、喘息、呼吸器疾患の原因となり、特に子供や高齢者、免疫力の低い人にとって健康リスクが大きくなります。
例えば、カビによる悪臭やアレルギー症状(くしゃみ、鼻水、皮膚のかゆみ)などが挙げられます。
さらに、湿気による木材の腐敗やカビの侵食が進めば、構造的ダメージが悪化し、修復がより一層困難になります。
これにより、カビ除去のための専門的な清掃や換気システムの導入が必要となり、追加費用が発生します。
3.修復費用の増大
先述の通りシロアリ被害が進行すると、修復費用は非常に高額になります。
「1.構造的強度の低下」でも触れましたが、食害された木材の交換には、柱、梁、床、基礎など、被害の範囲に応じて大規模な工事が必要となります。
例えば、主要な構造材が被害を受けた場合、部分的な補修では済まず、家全体の改修が必要になることもあります。
この場合、費用は数百万円に達することもあり、被害が広範囲に及ぶと1000万円を超えるケースも珍しくありません。
さらに、シロアリ駆除のための薬剤処理や、再発防止のための予防工事にも追加費用がかかります。
(駆除費用だけでも、家の規模や被害状況によっては数十万円かかることがあります。)
被害を早期発見できれば駆除と部分的な補修で済む場合もありますが、発見が遅れると被害が拡大し、修復コストが跳ね上がります。
床下の被害が家の全体に広がると、床全体の張り替えや基礎の補強が必要になり、費用と工期が大幅に増えます。
また、シロアリ被害は一般的な住宅保険の補償対象外であることが多く、修復費用はほぼ全額自己負担となるため、経済的負担が非常に大きくなります。
このため、定期的な点検がコスト抑制の鍵となります。
専門業者による点検を5年に一度を目安に行うことで、被害を抑え、修復費用も大幅に減らせます。
4.不動産価値の低下
シロアリ被害を受けた家は、不動産価値が大幅に低下します。
買い手や不動産業者にとって、シロアリ被害は修復費用や再発リスクから大きなマイナス要因です。
被害が発覚すると、売却時に大幅な値下げを求められたり、買い手がつかない場合もあります。
(確かに買手の立場になって考えてみると納得はできますよね…)
特に、基礎や主要な構造材に被害が及ぶと、修復費用が高額になるため、家の市場価値は著しく下がります。
たとえば、1000万円の価値がある家が、シロアリ被害により500万円以下に評価されることもあります。
また、たとえ修復済みでも、「再発のリスク」を懸念され、買い手が慎重になることが多いです。
不動産売却時には、シロアリ被害の有無を開示する義務があり、隠蔽すると法的な問題に発展する可能性もあります。
ですので、予め定期的な点検と予防処理をしておくことが大切です。
5年に一度のシロアリ防除剤散布や、点検記録を残しておくことで、売却時の信頼性を高められるからです。
被害が軽微なうちに駆除と修復を行えば、不動産価値への影響も最小限に抑えられます。
また、シロアリ予防処理の履歴や点検報告書を提示することで、買い手に安心感を与え、家の価値を維持しやすくなります。
シロアリ被害に遭わないために
シロアリ被害の怖さがお分かりいただけましたか?
自分が何も気付いていないうちに、シロアリがどんどんと住まいを蝕んでいると思うと怖いですよね。
できれば、ずっとシロアリ被害になんて遭いたくないですが、何も対策をしないというのはリスクが高いと言えます。
シロアリ被害からお家を守るためにできる対策をご紹介します。
是非参考にしてみてください、
1. 家の湿気対策を徹底する
シロアリは湿った環境を好み、特に湿気が多い場所で繁殖しやすくなります。
家の中の湿気を抑えることで、シロアリにとって住みにくい環境を作りましょう。
まず、換気をこまめに行い、室内の空気を循環させることが大切です。
特に梅雨や夏場は、浴室、キッチン、洗濯スペースなど湿気がたまりやすい場所で換気扇を活用したり、窓を開けて空気を入れ替えたりしましょう。
床下の湿気対策も重要です。
床下換気扇の設置や、湿気取りシートを活用することで、床下の湿度を下げられます。
また、雨漏りや水漏れがある場合は、早急に修理してください。
配管の点検や屋根・外壁のメンテナンスを定期的に行うことで、湿気の侵入を防ぎます。
さらに、除湿機や調湿剤を活用して、クローゼットや押し入れの湿気も管理しましょう。
これらの対策で、シロアリが好む環境を最小限に抑え、家の安全を守れます。
加えて、もしも雨漏りがしている場合は早急に修繕しましょう。
雨漏りが起きている場所は、シロアリにとってオアシスのようなものです。
2. 木材や不用品の管理を徹底する
シロアリは木材を主食とするため、家の周囲や内部に放置された木材や不用品は格好のターゲットになります。
まず、家の周囲に積まれた廃材や古い木材、段ボールなどを片付けましょう。
これらはシロアリを引き寄せる原因となります。
庭に木材を置く場合は、地面から離し、コンクリートブロックの上に置くなどして直接地面に触れないようにしてください。
そして家の中では、使わなくなった家具や紙類を整理し、不要なものは早めに処分することが大切です。
また、シロアリは暗くて湿った場所を好むため、物置やガレージの整理整頓も効果的です。
定期的に掃除を行い、物が溜まりすぎないように注意しましょう。
庭木や植木鉢も、地面に直接置かず、適切に管理することで、シロアリが家に侵入するリスクを減らせます。
これらの小さな習慣が、シロアリ被害を防ぐ大きな一歩になります。
3. 定期的な点検と専門家の活用
シロアリ被害は初期段階では気づきにくいため、定期的な点検が欠かせません。
年に1回、専門のシロアリ駆除業者に依頼して、床下や基礎部分を点検してもらいましょう。
プロの目で蟻道や木材の異常をチェックすることで、早期発見・早期対処が可能です。
自分で点検する場合は、床下や壁の木材を軽く叩いてみて、空洞音がしないか確認してください。
羽アリや蟻道(土のトンネル状のもの)を見つけたら、すぐに専門家に相談を。
予防として、防蟻処理を施すのも有効です。
防蟻剤を散布することで、シロアリが寄り付きにくい環境を作れます。
特に新築やリフォーム時には、防蟻処理を施すことをおすすめします。
また、近隣でシロアリ被害が発生した場合は、自分の家もリスクが高まるため、早めに点検を依頼しましょう。
専門家のアドバイスを受けながら、定期的なメンテナンスを行うことで、シロアリ被害を未然に防げます。
まとめ
以上、シロアリ被害が住宅にもたらす影響について解説しました!
シロアリ被害を放置すると、修復費用だけでなく、仮住まいや生活の不便さによる追加コストも発生してしまいます。
経済的損失を最小限に抑えるためには、早期発見と迅速な対応が不可欠です。
そして、何よりも定期的なメンテナンスによってそもそもシロアリが発生しないようにすることが大切です。
自分で解決しようと思わないように、シロアリの被害を未然に防ぐ際も、シロアリ被害の兆候に気づいた際も、専門業者にきちんと相談し、大切なお家を守るよう心がけましょう。
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