深夜や早朝に聞こえる「ホーホー」「デデーポーポー」といった鳴き声。
誰もいないはずなのに、どこからともなく聞こえてくる不気味な音に不安を感じたことはありませんか?
この記事では、夜に鳴く鳩の正体や、鳴き声による種類の見分け方、鳴き声被害への具体的な対策方法まで、くわしく解説していきます。
ご自宅や近隣で聞こえる鳴き声が気になっている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
夜に鳴く鳩って本当にいるの?
鳩は本来、夜行性ではありません
私たちの身近でよく見かけるドバトやキジバトは、基本的に昼行性の鳥です。
つまり、日の出とともに活動を始め、日が暮れる頃には休息に入るという生活リズムを持っています。
普段、ベランダや公園でのんびり過ごす鳩を見かけるのも日中がほとんどでしょう。
夜になると、建物のすき間や軒下、木の枝などに身をひそめて休んでいるんです。
それなのに、「夜中に鳩のような声が聞こえる」「深夜にクルックーという鳴き声で目が覚めた」など、夜に鳴く鳩の存在を不思議に思う方も少なくありません。
実は、それにはいくつかの理由があるんです。
鳩が夜でも鳴くことがある理由とは?
本来夜行性ではない鳩が、なぜ夜に鳴いてしまうのでしょうか。
そこには、人間の生活環境との関係や鳩自身の本能的な行動が影響しています。
以下は、夜に鳴く鳩が見られる代表的な理由です。
1. 人工の光に惑わされて「昼」と勘違いする
都市部や住宅街では、街灯・自動販売機・コンビニ・看板・室外灯など、
夜でも周囲が明るい場所がたくさんあります。
鳩はこの人工光を自然光と誤認して、夜でも活動してしまうことがあるんです。
とくに駅前やマンションの共用部、夜遅くまで営業している施設の近くでは、
深夜に鳴き声を上げる鳩が増える傾向があります。
2. 繁殖期で本能的に鳴いている
春から夏にかけての繁殖シーズンになると、
オスの鳩はメスを呼ぶために「クルックー」としきりに鳴き声を上げます。
この鳴き声は、求愛行動の一環であり、縄張りの主張でもあります。
昼間だけでなく、周囲が静かになる夜間にも鳴き続けることがあるんです。
特に、同じ場所に巣を構えていたり、安心できる休息場所を見つけた鳩は、
自分の存在をアピールするかのように、夜でも声を響かせることがあります。
3. ストレスや外的刺激による鳴き声
人間の生活音や近くを通る車、動物の気配などに反応して、
警戒音や不安から鳴くケースも見られます。
鳩は本来、警戒心が強い生き物です。
屋根の上やベランダにいる際に、不意に物音がすると、
その場から逃げずに「鳴き声」で仲間に危険を伝えることもあります。
また、猫やカラスの気配を感じて緊張しているときにも、
夜に限らず、普段より強めの鳴き声を出すことがあるんです。
夜鳴きする鳩は「異常」ではなく環境に適応しているだけ
夜に鳴く鳩の多くは、決して異常行動をしているわけではありません。
むしろ、人間がつくった都市環境の中で適応して生きている結果なんです。
ただし、夜間の鳴き声が続くと、睡眠や生活に支障が出ることもありますよね。
「近くに巣を作られているのでは?」と感じたら、早めに確認することが大切です。
鳴き声で見分けられる鳩の種類とは?
ドバト(カワラバト)
ドバトは街中でよく見かけるグレーの鳩です。
「グルッポー」「グーグルグー」といった低めの声で鳴きます。
比較的おとなしい性質で、夜鳴くケースは少ないですが、照明や音に刺激されて鳴くこともあります。
キジバト(ヤマバト)
「デデーポーポー」という特徴的なリズムの鳴き声で知られるのがキジバトです。
森林や住宅街にも生息しており、早朝や夕方だけでなく、夜間に鳴くケースも多いとされています。
このキジバトの鳴き声を「夜中の怪音」と感じて不安になる方が多いんです。
フクロウなど別の鳥の可能性も
「ホーホー」といった低い鳴き声は、鳩ではなくフクロウ類の可能性もあります。
キジバトと鳴き声が似ていることもあるので、聞き分けるのが難しいかもしれません。
鳩の鳴き声が引き起こす生活トラブルとは?
騒音による睡眠妨害
夜中に続く鳴き声は、不眠やストレスの原因になります。
「また今夜も鳴くのか…」という不安から眠れなくなってしまう方も多く、深刻な健康被害につながることも。
ご近所トラブルに発展することも
ベランダや屋根で鳴いている場合、「どこの家に巣があるのか?」と疑心暗鬼になりやすく、ご近所トラブルの火種になりがちです。
事前に鳩対策を講じておくことで、周囲との関係悪化も防ぐことができます。
自宅でできる鳩の夜鳴き対策
「夜になると鳩の鳴き声が気になって眠れない」
「鳩がベランダにいついてしまって困っている」
そんなお悩みを抱える方に向けて、自宅でできる鳩の夜鳴き対策をご紹介します。
鳩は一度「安心できる場所」と判断すると、同じ場所に何度も戻ってきやすい性質があります。
だからこそ、鳩が“居たくない”と思う環境づくりをすることが重要なんです。
鳩が嫌がる環境づくりを心がける
鳩は非常に警戒心が強い鳥であり、ちょっとした変化にも敏感に反応します。
その習性を利用して、物理的・心理的に居心地を悪くする対策を講じましょう。
忌避剤で「居たくない場所」と認識させる
市販されている鳩用の忌避スプレーや忌避ジェルは、
人間には無害でありながら、鳩にとっては強烈な不快感を与える成分が含まれています。
においによるものが主流ですが、中には粘着性のあるタイプもあり、
羽や足に違和感を覚えた鳩が二度とその場所に近づかなくなることもあります。
ベランダの手すり、エアコンの室外機、屋根の縁など、
鳩が留まりやすい場所に塗布・噴霧するだけでも効果が期待できます。
視覚的な威嚇グッズで警戒心を刺激
「CDを吊るす」「反射テープを設置する」「フクロウやカラスの模型を置く」など、
鳩の視覚に訴える対策も有効です。
特に、反射光やゆらゆらと動くものには本能的に警戒する習性があります。
ただし、長期間同じグッズを置いたままだと慣れてしまうため、
定期的に設置場所や種類を変えることがコツです。
スパイクやネットで「止まれない」構造に
鳩は平らで安定した足場を好みます。
ベランダの手すりや庇、室外機の上など、一定の広さと高さのある場所は好んで滞在します。
そうした場所には、鳩よけスパイクやワイヤーを設置することで、
「止まりにくい」「足場が悪い」と感じさせることができます。
ベランダ全体をカバーするのが難しい場合でも、ピンポイントに設置するだけでも効果的です。
照明の調整で活動時間を抑える
もうひとつのポイントは、鳩の生活リズムを乱さないようにすることです。
鳩は昼行性ですが、明るい場所にいると夜でも「活動時間」と勘違いしてしまうことがあります。
とくにマンションやアパートの共用廊下、ベランダの照明は、鳩の夜間活動に影響を与えることがあるんです。
センサーライトの点灯時間を見直す
夜間常時点灯になっている照明は、センサー付きの短時間点灯型に切り替えるのがおすすめです。
鳩は強い光や一時的な点灯に驚きや警戒を感じやすいため、
長く明るく照らされているよりも、短い光の刺激のほうが効果的な場合もあります。
タイマーやカバーの活用で明るさをコントロール
照明器具に光拡散カバーや遮光フィルターを取り付けて、
必要以上に外に光が漏れないように調整する方法も有効です。
「照らしすぎない」ことが、鳩の夜鳴きを抑えるヒントになるんです。
鳩の被害が進んでいる場合は?
ここまでの対策は、あくまで初期段階や軽度の被害に向けたものです。
もしも次のような状態が見られるなら、自力での対策には限界があるかもしれません。
- 鳴き声が毎日続いている
- ベランダや屋根裏にフンが大量にある
- 巣らしきものが確認できる
- 室内にダニやノミが増えてきた
このような症状が見られる場合は、すでに鳩が「住み着いてしまっている」状態かもしれません。
鳥獣保護法に注意!勝手な処置は法律違反になるおそれも
鳩は「鳥獣保護管理法」により守られている動物です。
卵やヒナがいる状態で巣を撤去したり、捕獲・駆除をおこなうと、
1年以下の懲役または100万円以下の罰金となる可能性もあるんです。
つまり、たとえ自宅の敷地内でも、勝手に処理することは法律違反にあたるんですね。
被害が広がる前に専門業者へ相談を
鳩の夜鳴きに悩まされているご家庭の多くが、
「まさか自分の家が鳩の被害にあうなんて」と驚かれるそうです。
被害が進行してからでは、フンの掃除やダニ駆除、建物の補修など、二次被害の対応も必要になります。
そのため、少しでも異変を感じたら、早めに害鳥対策の専門業者に相談することが最も安全で確実な方法です。
プロであれば、現地の状況を見極めたうえで、
「合法かつ効果的な追い出し処置」「侵入口の封鎖工事」などを一貫して対応してくれます。
よくある質問Q&A
Q:夜に鳴く鳩はすべて害鳥ですか?
A:すべてが害鳥というわけではありませんが、巣作りや鳴き声被害が続くようであれば、早めの対策が望ましいです。
Q:鳴き声を録音して種類を特定できますか?
A:スマホの録音機能でもある程度判別は可能です。業者に相談する際の参考資料にもなります。
Q:マンション管理会社に相談してもいいですか?
A:はい、建物の共用部分や屋根の被害の場合は、管理会社経由で対応するのが適切です。
まとめ
夜に鳴く鳩の正体は、主にキジバトであることが多く、その鳴き声が不快に感じられることがあります。
照明や繁殖期などの要因で、夜間に活動することも珍しくないんです。
鳴き声被害に悩んでいる方は、まずは自宅周辺の環境を見直すところから始めましょう。
それでも改善しない場合は、「一網打人」掲載の専門業者に相談するのが安心です。
鳩の夜鳴きから快適な睡眠を守るために、できることから少しずつ始めてみてください。