近年、アライグマやハクビシン、ネズミ、コウモリなどの害獣による住宅被害が全国的に増えています。これらの動物は屋根裏や床下、壁の隙間などに住み着き、フン尿による汚染や騒音、建材の破損など、さまざまなトラブルを引き起こします。
被害が顕在化してから駆除や修繕を行うのは多大な費用と手間がかかるもの。実は、こうした害獣被害の多くは、住宅の設計段階である程度予防することができるのです。
この記事では、「害獣が入らない家」にするために、設計段階で意識すべきポイントを詳しく解説していきます。
目次
なぜ害獣は家に侵入してくるのか?
害獣にとっての「理想の住処」とは?
人にとって快適な家は、害獣にとっても過ごしやすい環境になりがちです。アライグマやハクビシン、ネズミ、コウモリといった動物が求めるのは、外敵に襲われにくく、雨風や寒暖の変化を避けられ、静かで安全な空間です。
屋根裏や床下といった暗く人目につきにくい場所は、まさに彼らにとっての格好の「巣作りスポット」となります。配線や配管まわりから漏れるわずかな熱や、人間の生活にともなうニオイ(生ゴミ、ペットフードなど)も、彼らを引き寄せる要因になります。
一度快適な環境を見つけた害獣は、その場所に執着する傾向が強く、たとえ一度追い出しても、また戻ってきてしまうこともあるのです。
侵入できる小さなすき間があれば十分
特にネズミやアライグマといった害獣は、3〜5cmのすき間があれば体をくねらせて侵入できてしまいます。人間にとっては気づきにくい微細な穴や構造の継ぎ目が、害獣にとっては「出入口」に見えてしまうというわけです。
被害が出やすい家には共通点がある
隙間だらけの構造が狙われやすい
被害が多い住宅には、共通する「構造的な弱点」があります。たとえば、床下の通気口に金網がついていない、屋根の合わせ目や軒天に隙間があるなど、小さな開口部を放置していると、格好の侵入口になってしまいます。
さらに、配管やエアコンのダクト周辺の隙間が雑に施工されていたり、外壁と窓枠の継ぎ目が経年劣化で開いていたりすると、そこからも侵入される可能性があります。
経年劣化による新たな入口にも注意
築年数の経った住宅では、外壁のヒビ割れや雨樋のズレ、木材の腐食などによって、本来なかった侵入口が生まれるケースもあります。こうした劣化は見過ごされやすく、害獣が気づいた頃にはすでに住み着いていることも。
通気性や開放感を重視した家こそ、危ない?
「風通しのよい家」や「開放感のある構造」は、快適さの面では理想ですが、害獣対策を考慮していないと“入りやすい家”になってしまうこともあります。
とくに新築時に対策を講じていなかった住宅では、外構の剪定やメッシュの未設置が原因で、数年後に思わぬ被害が発覚するケースもあるのです。
家づくりの段階で意識すべき「害獣対策設計」
床下・基礎構造の工夫
害獣の多くは床下から侵入するため、ここを防ぐことが第一の対策です。ベタ基礎にすることで土中からの侵入を防ぎ、通気口にはステンレス製の防獣ネットを取り付けることで、小動物の侵入をブロックできます。
屋根・軒下の対策
屋根材や軒天の施工精度が低いと、隙間からハクビシンやアライグマが侵入してしまいます。屋根材の重なりや棟換気部の施工では、金属プレートや防虫ネットを挟み込むと効果的です。雨樋も定期点検し、落ち葉除けを設置することで詰まりを防げます。
換気口・配管・ダクトの隙間処理
換気口や配線の引き込み口も狙われやすい場所です。あらかじめパンチングメタルや金属メッシュで塞ぎ、防鼠パテで隙間を完全に密閉しておくことが推奨されます。
建材の選び方とメンテナンス性
かじられやすい木材は避け、硬質樹脂や金属系の建材を選ぶことが望ましいです。また、日常的に点検・補修がしやすい構造や配置にしておくと、害獣の早期発見と対処が容易になります。
外構・周囲環境の設計ポイント
敷地と害獣の「動線」を切る
庭木の枝が屋根やベランダに接触していると、そこから簡単に害獣がアクセスしてしまいます。植栽の配置や剪定にも注意を払いましょう。外壁やフェンスも、登れない・くぐれない構造にすることで侵入リスクを減らせます。
ゴミ置き場や倉庫まわりの注意点
エサになるものを放置しないことが基本です。屋外ゴミ箱はフタ付きで密閉できるものを使用し、倉庫や物置の床下・壁面もあらかじめ防獣対策された設計にすると安心です。
設計後にできる対策・補強方法
既築でもできる封鎖と補修
すでに建てられた家でも、侵入口の特定と封鎖は可能です。点検のうえで、金網・板金・パテなどを使い、物理的に隙間をなくします。フンや足跡、断熱材の乱れなどを手がかりに侵入口を探しましょう。
忌避グッズや防獣施工の併用
封鎖だけで不安な場合は、超音波装置や忌避スプレー、センサーライトなどのグッズを併用するのも一つの方法です。さらに専門業者による板金加工やネット張りといった防獣施工を行えば、再侵入のリスクを大きく下げることができます。
施工業者選びで注意すべきこと
新築時の工務店やハウスメーカーに、「害獣対策の実績」があるかを確認しておくと安心です。また、リフォームや補修を依頼する場合は、再侵入を防ぐ設計・施工力があるかどうかを見積もり段階でチェックしましょう。
保証やアフターサポートの有無、防獣工事の経験年数なども確認しておくと、トラブル回避につながります。
まとめ
害獣対策は、被害が起きてから慌てて対応するよりも、「起きないように備える設計」を初めから取り入れる方が、はるかに効率的で安心です。
ほんのわずかな隙間や、劣化しやすい建材の選定、植栽や外構の配置といった細部が、数年後に思わぬ害獣被害を引き起こすきっかけになってしまうこともあります。
だからこそ、家づくりの段階から「害獣が入りにくい構造とは何か?」を意識し、設計に落とし込むことが重要なのです。
もし具体的な設計や施工上の対策に迷ったときは、害獣対策に詳しい専門業者の力を借りることも一つの方法です。
全国の信頼できる害獣駆除業者を探すなら、ポータルサイト「一網打人(いちもうだじん)」を活用してみてください。
新築・リフォーム・既築住宅の補修まで、地域に応じた対策の相談先が見つかるはずです。














