鳩は平和の象徴ともいわれる鳥ですが、工場や倉庫、家庭などに被害をもたらす鳥でもあります。
そこでここでは鳩によって具体的にどのような被害がもたらされるのか、どのように駆除すれば良いのかといったことについて紹介していきたいと思います。
鳩によってどのような被害が発生するのか
鳩を含めた鳥が工場に住みついたりするとさまざまな被害をもたらすこととなります。
まずは実際にどういった被害がでるのかを把握しておくことが重要となります。
見た目、騒音などの被害
まず鳩が工場に住みつくことで見た目、「景観的被害」が大きく出ることとなります。
鳩を含めた鳥類は群れで行動することが多いために、工場に大量の鳩が住みつくことで大きな景観的被害が出るのです。
工場の敷地内、建物に大量の糞や羽根が散乱することとなり、見た目がかなり悪くなります。
工場を訪れる客からしてもかなり嫌な気持ちになることとなります。
そこで働く従業員としても気持ちの良いものではないでしょう。
近隣住民にも被害が出てしまうこととなるので、工場で対策をしないと問題視されてしまう原因にもなってしまいます。
また、大量の鳩は騒音の原因にもなります。
鳩を含めた鳥類は一日の行動サイクルが決まっていることが多く、羽ばたく時間などには一斉に羽ばたいていくために大きな騒音となります。
働いている人はもちろん、近隣住民からしても大きな問題となるでしょう。
このように鳩が大量に住みつくことで景観的被害、騒音被害などの原因となるのです。
衛生面の被害
鳩の糞や羽には多くの病原菌が含まれており、これが人間や動物に被害をもたらす場合があります。
こうした糞や羽には「鳥インフルエンザ」「サルモネラ菌」などが含まれており、これらが病気を引き起こすのです。
鳥の糞は出された時は粘り気のある感じですが、乾燥すると風で広い範囲に飛散してしまうこととなります。
風で飛散してしまうことで近隣の住宅や工場内部にまで広がる場合があるのです。
その工場が食品工場だった場合には糞を通して病原菌が含まれてしまうことがあるのです。
工場の車や機械への被害
工場内に鳩が入り込むことによって工場内の機械に羽毛や糞が落とされる可能性があります。
工場の機械は精密機械が多く、羽毛などの異物が入り込むことによって異常動作につながったり、安全感知センサーが作動して機械が止まってしまう可能性もあります。
工場で機械が止まってしまうことによって大きく生産性が低下し、無駄なコストがかかることとなります。
また、鳩の糞には尿酸が含まれているため、機械に付着すると金属部分を腐食させてしまうことになります。
機械が劣化してしまうのはもちろんですし、工場という建物の屋根や鉄骨などの金属部分も腐食してしまうこととなるのです。
工場で特に鳩の対策が必要となる場所とは
一般的に工場や倉庫は「大きい」「広い」ことが多く、構造も複雑になっているために対策に手間がかかります。
そこでここでは工場の中でも特に対策をしなければならない場所を紹介していきます。
工場の屋根、屋上
鳩などの鳥類は自分の縄張り内では高い場所からエサを探したり、危険がないかを確認したりします。
そのため、工場では屋根や屋上の「室外機」「太陽光発電装置」「貯水タンク」などに住み着きやすくなります。
これらの鳩が居つきそうな場所にあらかじめ忌避剤を設置しておくことで鳩が入り込んでくることを防ぐことができます。
工場の出入り口
工場や人、商品、原材料などの出入りが多いために扉、シャッターなどの入り口部分は開けたままにしているということが多くなっています。
出入り口が常に開いているためにそこから鳩が工場内に入り込んでしまうことがあるのです。
工場内には鳩が居着いてしまう場所が多くありますので、重要なのは「出入り口から侵入させない」ということです。
工場の出入り口部分をネットでカバーしてしまうという方法もありますが、人や物の出入りが面倒になりますし、景観も悪くなります。
そのため、出入り口付近に忌避剤を設置するのが良いでしょう。
換気ダクト、通風孔
工場の外壁部分には換気ダクトが飛び出していることが多くあります。
こうした換気ダクトは内部が「暖かい」「雨風が入らない」「外敵に見つかりにくい」といった理由で鳥類が巣を作ることが多くあります。
また、この換気ダクトから工場の内部に侵入してくるということがあります。
これらを防ぐためにはフードの内部に忌避剤を設置する、針や剣山のようなものを設置するという方法があります。
工場で鳩を駆除する方法とは
工場に鳩を寄せ付けない、巣を作らせないためにはそれぞれの場所で効果的な方法で対策をするのが重要となります。
ここでは工場のそれぞれの場所ごとの駆除方法を紹介していきます。
工場の屋根、屋上での駆除方法
屋根や屋上部分の鳩を駆除するには「電気ショック」が効果的です。
鳩が居る部分に電流が流れるようにしておき、定期的に電流を流すことで鳩を駆除することができます。
ただ、一度群れを追い払っても、別の群れが居着いてしまうことがありますので、長期的に考えていかなければいけないでしょう。
工場の出入り口、通路の駆除方法
鳩はもともとは岩場のような場所に巣を作るという習性があるため、工場では室外機や物置、H鋼のような場所に巣を好んで作ります。
工場の中に入られてしまうと駆除するのが大変なので、理想としては出入り口、通路にネットを張ってしまうのが確実となります。
人の出入りが多い場所ではカーテンタイプのネットを設置すると良いでしょう。
さらにジェルタイプの忌避剤を塗布する、置くタイプの忌避剤を設置しておくというのも効果的です。
とにかく工場の内部に侵入させないことを心がけましょう。
工場の庇、H鋼での駆除方法
工場の屋根の庇は大きめに作られていることが多くなっています。
これは仕入れや出荷の商品、材料の置き場となっていることが関係しています。
この庇部分、H鋼部分に巣を作られることが多いのです。
ただ、こういった庇部分に巣を作られてしますと商品や材料が糞害にあうこととなってしまいます。
庇の対策としてはピーコンネットをH鋼の下部分のラインに合わせて張ってしまうのがもっとも確実です。
換気ダクトの駆除方法
換気ダクトの上、内部などは鳩が住みつくのが多い場所です。
この場合の対策としてもダクトの開口部分をピーコンネットで封鎖してしまうことが効果的です。
換気ダクトから工場の内部に侵入されることもありますので、こうした部分はしっかり対策しておきましょう。
鳩を駆除する際の注意点について
実際に工場の鳩を駆除していく際にはいくつかの注意点もあります。
ここでは簡単に注意点を紹介します。
・鳥獣保護法に注意する
鳩は鳥獣保護法によって保護されているために無許可で殺傷することはできません。
そのために基本的には「寄せ付けない」「住みつくことをさせない」という対策をとることとなります。
どうしても被害がひどい場合には自治体に相談してみるのも良いでしょう。
・鳩も集団になると危険である
鳩は群れで行動することが多いために、不用意に刺激すると集団で襲われるということもあります。
群れを相手に対策をする際には十分に注意しましょう。
まとめ
工場は鳩を含めて鳥に巣を作られやすい場所です。
鳩が住みついてしまうと景観的被害、騒音被害、衛生的被害、機械的被害などさまざまな被害が起こることとなります。
鳩が住みつかないように忌避剤を設置したり、内部に侵入しないようにネットを設置することで対策をしていきましょう。