シロアリ被害の初期症状は?普通のアリとの見分け方も併せて解説

シロアリ被害の初期症状は?普通のアリとの見分け方も併せて解説
「このアリ、もしかしてシロアリ?」

そう思っても、普通のアリとの違いが分からず不安になったことはありませんか?

シロアリは、住宅に深刻な被害を与える害虫の代表格。しかもその被害は、床下や柱など普段見えない場所で静かに進行するため、気づいたときには家の構造自体が危険な状態に…ということもあります。

そんな被害を防ぐためには、「シロアリ被害の初期症状」と「普通のアリとの違い」を知っておくことがとても重要です。

この記事では、シロアリの見分け方から、自宅でできるセルフチェックの方法、業者に相談すべきタイミングまで徹底解説します。

大切な住まいを守るため、まずは正しい知識を身につけましょう。

なぜシロアリ被害の「初期発見」が重要なのか?

シロアリによる被害は、家の寿命や安全性に直結する非常に重大な問題です。住宅の構造体である木材を内側から徐々に蝕んでいくため、表面からは分かりづらく、気づいたときにはすでに取り返しのつかない状態になっているケースも少なくありません。

放置するとどうなる?

シロアリは湿気のある木材を好み、主に以下のような場所を集中的に食害します。

  • 土台や柱などの構造材:建物全体を支える重要部分
  • 床下の根太(ねだ)や大引き:床の強度に直結
  • 玄関の框(かまち):湿気が溜まりやすく、シロアリの侵入経路になりやすい
  • 浴室・洗面所などの水回り:常に湿気が多く、シロアリにとって理想的な環境

これらの部分がシロアリによって中から空洞化してしまうと、家全体の強度が著しく低下します。特に日本のように地震が多い地域では、耐震性能の低下は命に関わる問題です。ちょっとした揺れでも柱が折れたり、壁が倒れたりといった危険が現実のものとなってしまいます。

さらに怖いのは、表面上は無傷に見えることが多いという点です。シロアリは外気や光を嫌い、木材の内側を静かに食い進むため、住んでいる本人が異変に気づきにくいのです。そのため「気づいたときにはすでに家のあちこちに被害が広がっていた」というケースも珍しくありません。

修繕費が高額になる前に

シロアリ被害が発覚した時点で軽度であれば、駆除や部分補修で対処可能な場合もあります。費用も数万円から十数万円程度で済むことが多いです。しかし、被害が進行して床や柱、土台といった構造部全体に及んでいると、大規模なリフォームや建て替えが必要になる可能性もあり、その場合の費用は数十万〜数百万円以上にのぼることもあります。

また、被害範囲が広がれば、工期も長くなり、生活への影響も大きくなります。

たとえば家の床全体を張り替えたり、浴室を解体して補修したりする工事は、仮住まいが必要になることも。

早期発見が家と暮らしを守るカギ

だからこそ、「初期の段階」で異変に気づくことが、費用面でも安全面でも極めて重要なのです。

ほんの小さな異変——たとえば「床がミシミシ鳴る」「羽アリが飛んでいる」「玄関の木が柔らかい」などのサインに気づけるかどうかで、その後の住宅の維持費用や安全性は大きく変わってきます。

シロアリ被害を“見える化”するには、日常の観察+定期点検が鍵。特に築10年以上の住宅や、湿気がこもりやすい場所がある家は、意識的にチェックする習慣をつけましょう。

万が一異変が見つかった場合も、早期であれば業者による点検・駆除だけで済み、大きな出費や工事を避けることができます。

これがシロアリ被害の初期症状!

「見えない場所で静かに進行する」といっても、シロアリ被害にはいくつかの“初期サイン”があります。以下のような症状が見られたら、すでに侵入されている可能性があります。

1. 木材に小さな穴が開いている

シロアリは木材の内部を食い進み、外側の表面だけを残して中を空洞化させることがあります。そのため、木材に細かな穴や筋がある場合は注意が必要です。

2. 床が軋む・沈む感覚がある

被害が進行すると、床を歩いたときに「ミシミシ」と不自然な音がしたり、部分的に沈み込む感触を覚えることがあります。これも床下の木材が食害されているサインです。

3. ドアや窓が開閉しづらくなる

家の構造が歪み始めると、ドアや窓の建て付けが悪くなり、スムーズに開閉できなくなることがあります。

4. 羽アリが室内に出現する

春から初夏(4〜7月)にかけて、シロアリの「羽アリ」が群飛を行います。室内で羽アリを見かけた場合、その建物内で繁殖している可能性が高いです。

5. 壁や床を叩くと「空洞音」がする

柱や床を軽く叩いたときに、「ポコポコ」と軽い音がする場合は、内部が空洞化している恐れがあります。

6. 蟻道(ぎどう)の存在

蟻道とは、シロアリが外気や光から身を守るために作るトンネルのような通り道。基礎や土台、ブロック塀に土の筋のようなものが這っていれば、それは蟻道の可能性があります。

シロアリと普通のアリの見分け方

「羽アリが出たからといって、すぐにシロアリとは限らない」と言われます。実際、シロアリとクロアリ(普通のアリ)は見た目がよく似ており、混同しやすい存在です。ここでは、両者の違いを分かりやすく比較します。

【1】羽の形と大きさの違い

比較ポイント シロアリ クロアリ
羽の大きさ 前後ほぼ同じ大きさ 前羽が大きく、後羽が小さい
羽の形 幅広で楕円形 細長く先端が尖っている

【2】胴体の形

  • シロアリ: くびれがない寸胴型
  • クロアリ: はっきりとくびれている(頭・胸・腹の3節に分かれる)

【3】触角の形

  • シロアリ: 数珠状のまっすぐな触角
  • クロアリ: 折れ曲がったL字型の触角

【4】生息場所の違い

  • シロアリ: 湿気の多い場所・木材の内部(床下、浴室、玄関など)
  • クロアリ: 屋外や室内の食品に集まることが多く、動きも活発

【5】被害の違い

  • シロアリ: 建物そのものを食害(木材、断熱材、畳など)
  • クロアリ: 食品やゴミへの被害が中心。建物構造に影響は少ない

実際の写真で比較!見分けるチェックポイント

視覚的に理解するためには、実物の写真で比較するのが効果的です。

  • シロアリの羽アリ(羽が同じ大きさ、寸胴の体型)
  • クロアリの羽アリ(羽が大小あり、くびれのある体型)
  • 蟻道(基礎に土が這っているような筋状のもの)
  • 木材の被害(中がスカスカになった断面、ボロボロの柱)

※サイトでは画像を掲載し、読者が判断しやすいように図解・写真と組み合わせることをおすすめします。

自宅でできるセルフチェック法

(画像引用:J-LIFE様)

「業者に頼む前に、自分でチェックしておきたい」という方のために、セルフチェックポイントを紹介します。

チェックすべき場所

  • 床下や床板の裏側
  • 玄関の框(かまち)
  • 浴室・洗面所の床
  • 押し入れの床
  • 外壁と地面の境目(蟻道チェック)

簡単なチェック方法

  • ドライバーで木材を軽く押す: スッと刺さる場合は内部が空洞の可能性あり
  • 軽く叩いて音を聞く: コンコンと響かず、ポコポコと軽い音なら要注意
  • 春〜夏に羽アリを見かけた: 時期と場所で判断。夜間の照明に集まるのはシロアリの可能性が高い

少しでも怪しいと感じたら…業者に相談すべきタイミング

シロアリは、その被害の性質上、素人が見ただけでは判断がつかないケースが非常に多いのが特徴です。というのも、彼らは目に見える場所ではなく、床下や壁の内側、柱の内部など、「普段見えない場所」で静かに食害を進めていくからです。

そのため、多くの人は「なんとなく床の沈みが気になるけど、大したことないだろう」「羽アリを見かけたけど、たまたまだろう」と放置してしまい、気づいたときには住宅の耐久性そのものが損なわれていたという事態に陥ります。

業者に相談すべき5つのサイン

以下のような兆候がひとつでも当てはまる場合は、早めに専門業者への相談を検討しましょう。

  • 室内で羽アリを見かけた(特に4〜7月)→ シロアリの羽アリは繁殖のために群飛するため、屋内で目撃された場合は、すでに建物内に巣を作っている可能性が非常に高いです。
  • 床が不自然に沈む・ミシミシと音がする→ 根太や床材が内部から食害されていることで、足元に違和感を覚えるようになります。初期段階では床鳴り、進行すると沈み込みが発生します。
  • 木材の表面に小さな穴や木くずのような粉が出ている→ 食害の進行によって、木の表面に微細な穴が開いたり、木材の内部から押し出された“フン”や“削りカス”が床に落ちていたりします。
  • 柱や壁を軽く叩くと空洞音がする→ 通常は「コンコン」と響く音が、「ポコポコ」「ペコペコ」と軽く鈍い音に変化している場合、内部が空洞化している可能性があります。
  • 蟻道(ぎどう)らしき土の筋を発見した→ 基礎部分や壁際に土でできた筋のようなものがあれば、それはシロアリの通路である蟻道かもしれません。非常に重要な発見です。

費用が不安なら「無料調査」を活用

「業者に相談するのはちょっと怖い」「費用が高そうで不安」と感じている方も多いかもしれませんが、現在では無料で床下点検・シロアリ調査を行ってくれる業者も増えています。点検のみの相談であれば費用が発生しないケースも多く、気軽に依頼できるようになっています。

大切なのは、「気になることがあるのに放置しない」こと。ほんの些細な異変でも、早い段階で調査・対処しておけば、最小限の工事や費用で済ませることができるのです。

悪徳業者に注意!見極めのポイント

一方で、シロアリ被害に悩む人の心理につけ込む、悪質な業者の存在も無視できません

シロアリは見えない場所で被害を与えるため、専門的な知識がなければ実際の被害の有無や程度を判断するのが難しいです。そこを逆手に取り、実際には被害がないにもかかわらず、「このままだと家が倒れますよ」などと不安をあおり、高額な工事を押し付けてくるような悪徳業者も残念ながら存在します。

悪徳業者によくある特徴

  • 羽アリを見ただけで即「工事が必要」と煽ってくる→ 羽アリ=シロアリとは限らず、まずは「見分け」が重要。即決を促すのは危険です。
  • 点検後、「構造が崩れている」などと過剰な表現で脅してくる→ 実際には軽微な症状でも、大げさに説明し不安を煽る手口。
  • 「今日契約すれば安くなる」と契約を急かす→ 期間限定キャンペーンなどを持ち出し、冷静な判断をさせないようにする。
  • 見積書が大雑把で内訳が不明瞭→ 「一式工事」などの曖昧な記載ばかりで、具体的な材料名や作業工程が記載されていないものは要注意。
  • こちらの質問に対して曖昧な回答しかしない→ 誠実な業者であれば、施工内容や費用の根拠を丁寧に説明してくれるはずです。

信頼できる業者を見極めるには?

安心して依頼できる業者かどうかを見極めるためには、以下のような対応をしてくれるかどうかがポイントです。

被害箇所を写真や動画で見せてくれる

説明だけでなく「実際に見せてくれる」業者は信頼できます。

見積書が詳細で分かりやすい

材料費・作業費・諸経費などが明記され、工事内容が明確になっている。

工事内容・リスク・保証内容を丁寧に説明してくれる

こちらの質問に対しても、曖昧にせず誠実に回答してくれる姿勢は安心材料です。

契約前にしつこく勧誘しない

契約を急がせず、「検討してからで大丈夫ですよ」と言ってくれる業者は誠実な傾向があります。

まとめ

シロアリは静かに住宅をむしばむ厄介な害虫です。初期症状には「床の沈み」「羽アリの出現」「蟻道の発見」などがあります。普通のアリとの違いを知ることで、適切な対処が可能になります。少しでも異変を感じたら、早めの点検・相談が重要です。

「一網打人」では、全国の信頼できるシロアリ駆除業者を紹介しています。まずは気軽にご相談ください。大切な住まいを、シロアリから守りましょう。

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