カマドウマは毒を持っているわけではなく、いわゆる「害虫」と呼ばれる虫ではありません。
しかし「便所コオロギ」と呼ばれることからわかる通り、バッタやコオロギに近い仲間となっており、体が大きく、雑食で高い跳躍をするということで建物内で見ると嫌悪感を抱く人が多くいる虫でもあります。
湿気が多く、食べ残しなどがある場所を好むために室内で見るということは外部から侵入している可能性があります。
そこでここではカマドウマの生態と駆除する方法について紹介していきたいと思います。
カマドウマとはどういった虫なのか
カマドウマを正確に駆除していくためには、カマドウマの生態をしっかりと理解していくことが必要です。
そこで、まずはカマドウマという虫について簡潔に紹介していきます。
カマドウマってどんな虫なの?
カマドウマは分類上はバッタやコオロギなどの仲間となっております。
”カマドウマ”の名前の由来は、便所のほかにも台所やかまどの近くでも見られたこと、そして虫の顔が馬に似ていたことから「カマドウマ」という名前がついたと言われています。
そして、日本では南日本から南西諸島にかけて特に多くの種類が生息しており、なんと!その数70種類が確認されています。
また、昔からなじみの深い虫でもあり、人々にはカマドウマという名前より「便所コオロギ」と呼ばれる方が知られているかもしれません。
それは、昔の日本では便所が母屋と離れた場所にあり、そこに多く生息していたことに起因しています。
生態、特徴は?
便所コオロギと呼ばれることからもわかるように見た目はコオロギに似ている虫ですが、成虫になっても羽はなく飛ぶことはありません。
ただ、体は2cmほどの大きさまで成長し、後ろ足が発達していて高い跳躍力を誇っています。
カマドウマが好む場所、生息場所とは
カマドウマは7~9月に多く発生するとされており、台所、トイレ、風呂場、物置のような「暗い」「湿気が多い」という場所に生息します。
また、食べ残しなどをエサとして好むことから特に台所の水回り近くには発生しやすくなっています。
昔は便所が暗くて湿気が多かったために多く生息していたのですが、最近は清潔な水洗トイレが増えたことからトイレで見かけることは減ってきました。
カマドウマは害虫なのか?
カマドウマは毒があるわけでもなく、畑などを荒らすこともないので所謂「害虫」ではありません。
むしろ小さい虫、虫の死骸などをエサとして食べてくれるので「益虫」と呼ぶに相応しいかもしれません。
加えて、最も嫌われている虫と言っても過言ではない、あのゴキブリさえも食べてくれます。
しかも死んだゴキブリだけでなく、生きているゴキブリまで食べてくれるのです。
ただ、これらのように、「害虫」ではないのですが、体が大きく、高い跳躍力で跳ぶことから単純に「気持ち悪いから駆除したい!」と言われることが多い虫なのです。
カマドウマの駆除や対策方法とは
特に害はないといっても実際に建物で見かけると「気持ち悪い」虫ではあるため、やはり駆除したいというのは当然のことです。
そこでここではカマドウマの駆除や対策方法について紹介していきます。
1.湿気が溜まらないようにすることが重要
カマドウマは湿気を好むという習性があるため駆除していくためには湿気を溜めないということが重要です。
排水口、浴室、台所などは特に湿気が溜まりやすいためにできるだけ湿度を低くするということを心がけしましょう。
また、網戸が破れている、隙間が開いたままになっているとそこから侵入してくることがあります。
室内でカマドウマを見かけたときにはそういった点も含めて点検し直したほうが良いでしょう。
湿気が溜まらないようにするためには浴室などを使用した後には小窓を開けて風通しを良くする、台所を使用した際にはしっかりと水気を拭き取るようにしましょう。
室内や押し入れなどに湿気が溜まる場合もあります。
定期的に押し入れの扉を開けたり、除湿剤を置いて除湿するというのも効果的です。
カマドウマだけでなく、シロアリなど湿気を好む虫は他にもいるために湿気対策をするというのはあらゆる虫への対策にもなると言えます。
2.清潔な状態に保つ
カマドウマは小さい虫、虫の死骸、食べ残しなどをエサとするだけでなく、排水口や排水溝の汚れなども食べる虫です。
そのため、カマドウマの繁殖を防ぐためには掃除を定期的に行って清潔な状態を保つということが重要となります。
室内はもちろん、玄関まわりや庭、窓の付近などが汚れているとそこに集まってくるということもありますので掃除する際にはその付近も合わせて行うようにしましょう。
定期的に掃除をして綺麗な状態を保つということがカマドウマを生息させにくい環境につながっていきます。
3.殺虫剤の使用
こういった虫を見かけると殺虫剤を使用して撃退するという人が多くいます。
しかし、カマドウマは虫の中では大型な部類に入り、生命力も強い虫です。
そのため殺虫剤で完全に殺すということが難しく、弱らせるという程度の効果しかありません。
また、カマドウマはその発達した後ろ足で大きく跳躍して逃げることも多いために殺虫剤を的確に命中させるのも難しいという現実もあります。
殺虫剤を使用する際にはカマドウマをそちらに逃がしたいという道筋をあらかじめ作っておき、そちらに誘導しながら使用していくというのも良いでしょう。
床下や屋根裏のカマドウマまでまとめて駆除したい場合にはバルサンのような煙タイプの殺虫剤を使用するというのもおすすめです。
殺すというよりも室内に生息させないことが大事
室内でカマドウマを見つけた際に新聞やハエたたきのような物理的な力で叩いて殺すということはあまりおすすめしません。
カマドウマは害虫でもないので、できるなら捕獲して屋外に出してしまうということができるならそれがおすすめです。
手づかみが無理だという場合には虫取り網などを使用するのも良いでしょう。
重要なのは見かけたカマドウマを殺すというよりもカマドウマが生息しにくい環境を整えるということです。
そうしなければ目の前をカマドウマを殺したとしてもまた他のカマドウマが発生してしまうだけだからです。
できる限りカマドウマが生息しにくい環境を作るということを心がけましょう。
根本的な駆除には業者に依頼するのが確実である
すでに床下などに多くのカマドウマが発生してしまっている場合などは素人には駆除が難しい状況となってしまっています。
「最近よくカマドウマを見かける」という状況であれば、大量にカマドウマが発生しているだけでなく、他の虫も発生している可能性があります。
不衛生である、湿気が多いといった環境はさまざまな虫が好む生息環境だからです。
すでにこういった状態になってしまっているという場合には虫の駆除を専門にしている業者に依頼するというのが確実です。
専門の業者は発生しているカマドウマを駆除するだけでなく、カマドウマが発生しにくい環境にすることまで行ってくれるでしょう。
まとめ
以上、カマドウマの生態と駆除する方法について紹介しました。
カマドウマは室内に生息していたからといって、毒があるわけでもなく、小さい虫を食べてくれるような虫でもあるために直接的な害があるわけではありません。
ただ、見た目が気持ち悪いということや大きく跳躍するといった特徴があるために、「駆除してしまいたい!」と思われる虫なのです。
駆除を検討する際には、その場のカマドウマだけに意識を向けるのではなく、根本的にカマドウマが生息しにくい環境にするということが重要だと言えるでしょう。
定期的に掃除をする、湿気が溜まらないように換気を心がけることが重要だと言えます。
しかし、
「大量に繁殖してしまっている」
「家中の湿気がすごい」
のような状態だと、素人では根本的解決は難しいでしょう。
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